給与明細を見ると、毎月の給料から「所得税」と「住民税」が差し引かれています。これらの税金はどのように計算され、なぜ差し引かれるのかを知ることは、家計管理に役立ちます。この記事では、給与明細で引かれる所得税と住民税について、詳しく解説します。
1. 所得税について
所得税とは?
所得税は、国に納める税金で、毎月の給与や賞与から天引きされています。累進課税制度が採用されており、所得が高くなるほど税率も高くなります。
所得税の計算方法
- 課税所得の算出
- 年収から給与所得控除や社会保険料控除、扶養控除などを差し引いて課税所得を計算します。
- 税率の適用
- 課税所得に応じた税率を掛けて所得税額を計算します。
- 源泉徴収
- 毎月の給与から、年間の見込み所得税額が天引きされます。年末調整で差額が精算されます。
注意点
所得税は、扶養家族の数や配偶者控除の適用状況によって変わります。源泉徴収票を確認し、間違いがないか確認しましょう。
2. 住民税について
住民税とは?
住民税は、市区町村に納める税金で、地域の公共サービスやインフラ整備に使われます。所得税とは異なり、前年の所得をもとに計算され、6月から翌年5月までの期間で均等に課税されます。
住民税の計算方法
- 課税標準額の算出
- 所得税と同様に、収入から所得控除を差し引いて課税標準額を計算します。
- 税率の適用
- 原則として、一律10%の税率が課されます(市区町村税6%、都道府県税4%)。
- 均等割の加算
- 一定額(多くの自治体で5,000円程度)が加算されます。
注意点
住民税は前年の所得が基準となるため、収入が大幅に変わった場合でも課税額がすぐには変わらない点に注意が必要です。
3. 所得税と住民税の違い
主な違い
項目 | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|
納付先 | 国 | 市区町村 |
税率 | 累進課税 | 一律課税(所得割+均等割) |
計算基準 | 当年の所得 | 前年の所得 |
天引き時期 | 毎月(給与支給時) | 毎月(6月〜翌年5月) |
共通点
- 両方とも所得を基に計算されます。
- 所得控除が適用される点は共通です。
4. 給与明細で確認すべきポイント
所得税
- 「源泉徴収税額」の欄で、適正な額が差し引かれているか確認。
住民税
- 「住民税」の欄で、前年の所得に基づいた額が適用されているか確認。
その他の控除
- 健康保険や厚生年金保険なども併せて確認し、家計管理に役立てましょう。
給与明細をしっかり確認することで、自分の収入や税金の状況を把握しやすくなります。不明点があれば会社の総務や税務署に相談し、正確な情報を得ることをおすすめします。
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